プリント基板を作成する際に必要となるイニシャル費とは何か、また、イニシャル費が無料、割安であることに潜む注意点などについて紹介します。
イニシャル費とは、プリント基板を新規で製造する際に必要となる初期費用のことです。
フィルム作成費やシルク版作成費、データ編集費用などがイニシャル費に相当しますが、基板メーカーによって、表現や項目が異なることもあります。
製造枚数が少ない場合は製造費用のほとんどがイニシャル費となることもあるため、小ロット多品種作成によりコストが高くなることも。一方、一度作成した基板をリピート生産する際には、一般的にイニシャル費はかかりません。
カーバデータ(プリント基板を製作する為のデータ)、NCデータ(ドリル穴の座標を表すデータ)の内容確認とともにファイルに描写できるようなデータに変換、編集する作業費用。
基板の感光露出用のフィルム料金です。ひとつの基板で10枚程度は必要となります。
チェッカー代金、プリント基板管理費など。
基板メーカーの中には、イニシャル費0円で基板製造に対応しているところもあります。
しかし、その場合は基板単価にはじめからイニシャル費が盛り込まれていることも。イニシャル費は無料でも、結果的に基板作成にかかるトータルコストが割高になる可能性もあるのです。
また、複数の基板のフィルムをまとめて面付けすることでコストを抑えているケースも考えられます。この場合、メーカーはリピート作成する際に、再度複数の基板をまとめて作成しなければならないリスクが。リピート不可での対応のみに限定されてしまうことが多くなるため、注意が必要です。
CAMを活用すれば、複数の異なる基板を組み合わせて1つの製造データにまとめることも可能です。
そのため、単発のみの発注であれば、複数の基板を一枚のフィルムに組み合わせることで、1つの基板にかかるイニシャル費を抑える方法もあります。
一方、リピートによる量産を見込んでいるのであれば、層構成を減らすことで、フィルム費やデータ編集費を抑える方法も考えられるでしょう。
また、基板の構造や仕様を変えずにイニシャル費を抑えたいなら、コストカットを目的として中国など海外工場製造に対応しているメーカーを選ぶのも1つの方法と言えます。
基板の設計、製造、実装の3つに対応するとともに、一貫した製品・サービスの提供と顧客満足向上を実現するISO9001と環境にも配慮したISO14001を取得している3社を紹介します(2021年7月時点)。
コスパを求めるなら
【主な対応基板】
その他の対応基板
放熱基板、銅インレイ基板、アルミ基板、リジットFPC、高周波基板、大型基板、セラミック基板、IVH基板、フレキシブル基板
実績を求めるなら
【主な対応基板】
その他の対応基板
リジットFPC、高周波基板、銅ペースト穴埋め基板、バンプ基板、IVH基板、フレキシブル基板、複合導体厚基板、薄物基板
【選定基準】基板の設計、製造、実装の3つに対応するとともに、一貫した製品・サービスの提供と顧客満足向上を実現するISO9001と環境にも配慮したISO14001を取得している3社を紹介します。