基板設計~実装まで おすすめの会社を紹介します
基板設計~実装まで おすすめの会社を紹介します » 基板設計の基礎知識 » 基板のレジストとは

基板のレジストとは

目次

基板のレジストとは基板の表面を染めている緑色のインクであり、回路を保護したり不要なはんだが実装時に付着したりしないようにカバーするために用いられます。ここでは基板のレジストについて詳しく解説しています。

レジストとは

基板の「レジスト」は、基板の表面で緑色になっている部分に使われているグリーンのインクです。

基板はそもそも金属銅の色などによって茶色や銅色であり、レジストで処理することで一般的にイメージされるグリーンの基板となっています。

レジストを行う目的は、回路パターンを湿気やホコリから保護したり、部品実装時にはんだ作業をスムーズに行ったりするためとなっています。

なお、基板のレジストは他にも「ソルダーレジスト」や「はんだレジスト」、「はんだマスク」などとも呼ばれ、英語表記では「Solder Mask」となっていることもポイントです。

レジストの役割、必要性

不要な部分にはんだが付着するのを防ぐ

レジスト前の基板は回路パターンなどが露出した状態でもあり、また溶けたはんだを載せるとどんどん流れていく状態でもあります。当然ながら、精密作業となるはんだ付けにおいて不要な部分にはんだが付着すると、基板が正常に機能しなくなってしまいます。

一方、レジストにははんだを弾く性質があるため、基板にレジストを施すことではんだをつけるべき部分を制限させて作業を効率化することが可能です。

回路パターンを保護する

レジストを塗ることで、回路パターンが空気や湿気に触れる範囲を最小限に抑えることができます。

回路パターンは金属であり、酸化や腐食といった影響を無視できないからこそ、レジストによって適切に保護することが必要です。

絶縁の役割を担い、ショートを防ぐ

上述したように、レジストが塗布されていない基板は回路パターンがむき出しになっている状態です。そのため、例えば通電状態でテスターやオシロスコープなどを使って電圧チェックといったテストを行う際、もしもテスターやプローブの端子がパターンの間をブリッジしてしまうと、ショートして基板が破損してしまうリスクも生じます。

レジストは基板の安全を確保するために重要です。

レジストの色の種類

一般的に想像される基板の色として緑が挙げられるように、レジストの色はグリーンが主流です。しかし、レジストの色は他に白や黒、青、赤など様々なカラーバリエーションがあり、色による性能面の差はほとんどありません。

緑色の基盤が多いのはなぜ?

緑色の基板が多い理由は、単純に緑色のインク・塗料が最も普及しているからです。

緑色の塗料は様々な場所で活用されるため汎用性が高くなっており、流通量も多くなっています。そのため、比較的低コストで用意することが可能であり、緑のレジストは基板製造においてもコストを抑制する上で効果的です。

また、流通量が多いからこそ製品在庫も豊富になっており、すぐに納品できることから工期や納期を短縮できることもポイントです。

緑色以外のレジストが採用されるシーン

基本的に、レジストではインクの色による機能差はほとんどありません。しかし、あえて基板の色を変えたい場合やその他の必要性がある場合、それぞれの条件に合わせて他のカラーのレジストが採用されることもあります。

製品を区別したい

基板の色を変えることで、容易に基板を区別して分類することが可能です。また、プリント基板では光学式自動外観検査装置(AOI)の他にも作業員の目視で不良品を検出しますが、白や黒といった特定の基板色だと異物の混入などを見落としやすいため、状況に合わせた色を選択します。

LEDや光センサーを搭載したい

LEDや光センサーを活用した基板においては、光の反射性に優れた白色をレジストとして利用することがあります。また、受光センサーを備えた基板に関しては、不要な光の透過や反射を抑制するために黒色のレジストが採用されることもあるでしょう。

レジストの色を選択することで、基板性能を向上させられることは重要です。

回路パターンをあえて見えにくくしたい

基板にどのような回路パターンが採用されているのか、知的財産を保護する目的やデザイン面を考慮して隠したいこともあるでしょう。そのため、回路パターンが透けて見えやすい緑色のレジストではなく、回路パターンを見えにくくするための色のレジストを採用することがあります。

基板試作の依頼でおすすめ3社

基板の設計、製造、実装の3つに対応するとともに、一貫した製品・サービスの提供と顧客満足向上を実現するISO9001と環境にも配慮したISO14001を取得している3社を紹介します(2021年7月時点)。

コスパを求めるなら

シグナス
  • 海外製造で低コスト化を実現しつつ、土日稼働で短納期も実現。
  • 超高多層やビルドアップ基板、放熱基板など多様なニーズに応える体制
  • AW設計は自社+協力会社で対応。

【主な対応基板】

  • 高多層(~108層)
  • ビルドアップ基板
  • エニーレイヤー基板
  • 厚銅基板

その他の対応基板

放熱基板、銅インレイ基板、アルミ基板、リジットFPC、高周波基板、大型基板、セラミック基板、IVH基板、フレキシブル基板

実績を求めるなら

キョウデン
  • 車載品をはじめとした様々な業界への実績が多数。
  • 特許出願中の折り曲げ基板など、技術開発にも注力。
  • 年間5000件のAW設計実績あり(※2021年調査時点)。

【主な対応基板】

  • 高多層(~54層)
  • ビルドアップ基板
  • エニーレイヤー基板
  • 厚銅基板

その他の対応基板

リジットFPC、高周波基板、銅ペースト穴埋め基板、バンプ基板、IVH基板、フレキシブル基板、複合導体厚基板、薄物基板

特殊基板の対応なら

富士プリント工業
  • 部品内蔵基板など、特殊基板を製造できる技術力を持つ。
  • 3Dプリンターを用い、特殊形状の電子モジュール製造を実現。
  • AW設計は自社+業界大手のグループ企業でカバー。

【主な対応基板】

  • 高多層(~36層)
  • 部品内蔵基板
  • IVH基板
  • アルミ基板

その他の対応基板

ビルドアップ基板、リジッドFPC、厚銅基板、フレキシブル基板、薄物基板、厚板基板

【選定基準】基板の設計、製造、実装の3つに対応するとともに、一貫した製品・サービスの提供と顧客満足向上を実現するISO9001と環境にも配慮したISO14001を取得している3社を紹介します。