プリント基板の種類のひとつであるフレキシブル基板とはどんなものなのか、また、設計や実装などを依頼できる取り扱いメーカーを紹介します(当サイトでピックアップしている業者からセレクト。2021年7月時点)。
リジッド基板同様に試作から量産まで対応することができ、納期優先、コスト優先などのニーズに合わせて受注することができます。試作時には、ルーターやレーザーで外形加工を行うことでコストを抑えることが可能。リピートが多い場合のレーザー加工にも対応しています。
品質保証の明確化、トータルコストの削減をモットーに、IoTなどの分野で需要が高いフレキシブル基板を高品質で製作しています。ポリイミドなどのベースフィルムと銅箔を貼り合わせることで、絶縁性、柔軟性、薄さを実現。わずかな隙間や立体的な配置も可能です。
独自の工程システムを確立しているため、納期を短縮できるだけでなく高品質な基板を提供することが可能です。フレキシブル基板では、ポリイミド、ポリエステル、液晶ポリマなどをベースとする基板に対応。寸法や形状によっても異なりますが、屈曲性に富んでおり、わずかな隙間にも設置することが可能です。
製作コスト重視の実装専門工場を所有しており、実装の経験と知識を活かした無駄のない基板デザインが可能です。フレキシブル基板では、ガラスエポキシ材を使用することにより、ポリイミド材フレキシブル基板の5分の1の製作費で提供することができます。
プラスチックフィルム、ポリイミド、PET、液晶ポリマ、などの材料を考慮した基板の設計、製造に対応しています。また、一般的なフレキシブル基板だけでなく、LCP基板まで設計、製造することが可能。豊富な製造実績があるため、製造1枚からでも対応できます。
イニシャル費不要かつ、試作時の外形加工は金型ではなくレーザーを使用することで、大幅なコストカットによりフレキシブル基板を製造することが可能。試作製造した基板のリピート製造が可能であるだけでなく、基板設計からの対応もできます。
試作から量産まで一貫した対応が可能な量産実装のほか、実装用治具の製作をメインとした機械加工にも対応しています。また、チップCRをメインとした部品在庫も充実しているため、急ぎのフレキシブル基板製作のオーダーにも柔軟に対応することが可能です。
リジッド基板、フレキシブル基板、リジッドFPC、いずれの基板についても設計の段階から対応することができます。常にノイズに配慮したパターン設計を行っているとともに、設計後のシミュレーションにより完成後のトラブルを抑えることが可能です。
信号の反射・遅延・クロストークの影響などを解析するSIシミュレーション、IRドロップ、インプットインピーダンス、トランスファーインピーダンスなどを解析するPIシミュレーションを実施。そのほか、さまざまなIシミュレーションによる解析により、高品質、安定性の高いフレキシブル基板を提供しています。
設計、製作、実装を一貫した体制で提供しており、フレキシブル基板を広範で活かすための提案にも対応しています。ポリイミドのほか、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー、シリコーンを材料として製作することも可能です。
安全性や安定性が重視される鉄道インフラ関連事業を展開しているため、厳しい要求レベルに耐えるフレキシブル基板の作成も可能です。高速伝送に伴い信号劣化などが生じる動作不良に対応するため、EMC解析によるノイズ対策や伝送線路解析による信号品質の確認、対策などを実施しています。
フレキシブル基板製造サービスでは、金型を作成せず木型とレーザーで外形加工を行うことにより、小ロット試作に特化しています。一般的な基板と同様に、イニシャル費用無料で高品質の基板を提供することが可能。8層以上のリジッドFPCやハイスペックフレキシブル基板などの実績も豊富です。
ISO9001(2000年2月)・ISO14001(2003年11月)の認証を取得した自社工場で実装まで対応できるため、フレキシブル基板やビルドアップ基板を短期で提供することができます。年間約2,000点(2021年9月調査時点)の基板設計を実施しているほか、多くのシミュレーションの実績があり、質の高い基板の提供が可能です。
薄い絶縁性に優れた材料(プラスチックフィルムなど)を使用しているため、薄さと柔軟さがあることが特徴です。屈曲が可能となるため、自由度の高いプリント基板として需要があります。柔らかいため、機器内の三次配線や可動部配線が可能。立体的な回路やプリンタなどの胴体部分、携帯電話や液晶テレビなどにも使用されています。
フレキシブル基板には様々な素材が使われますが、共通する特徴として、基板そのものが薄くて軽量という点が挙げられます。一般的なフレキシブル基板は薄いプラスチックフィルムで使われており、基板を配置する際にもスペースの確保がしやすく、高密度な配線を維持しながら製品の軽量化を追求できることがメリットです。
フレキシブル基板は小型機器や薄型機器などに使われています。
フレキシブル基板の最大の特徴は、文字通りフレキシブル(柔軟)に形を変えられることです。
非常に薄く軽量なフレキシブル基板は、基板そのものを曲げたり変形させたりできるため、ハードディスクやプリンターヘッドのように可動部への基板として標準的なものとなっています。
また、基板同士の接続にコネクタなどを改めて用意する必要もありません。
基板の屈曲性が高いため、曲げる際にも負担がかかりにくいことが特徴です。このため、ひんぱんに変形する部分へ採用してもすぐに基板が壊れにくく、常に駆動し続けているような部品などへ実装する際に役立ちます。
反面、屈曲性は各メーカーのフレキシブル基板によって違いがあり、実際の屈曲寿命はそれぞれのメーカーや素材ごとに確認してください。
製造時にフォトリソグラフィや電子鋳造、エッチング技術などを併用することにより、ピッチ30μm未満の高密度回路を構築することも可能です。そのため、高精細の液晶パネルや超音波診断機プローブなど微細回路を必要とする機器にも搭載しやすくなっています。
ただし、どの程度まで回路密度を高められるかはメーカーによって異なります。
一般的な特徴として、フレキシブル基板にはそのものにケーブル機能が求められます。そのため、製品内に基板を設置する際の位置関係や、それぞれの部品や基板ごとの接続方法などを設計しなければなりません。また、部品を実装する場合は合わせて部品の位置や形状を決めることも必要です。
もちろん、基板が製品内に納められることも重要です。
基板の接続部における端子の配列や、部品に搭載した場合の構成などから、基板の配線を設計します。また、片面フレキシブル基板なのか、両面なのか、あるいは多層基板が必要かなども合わせて検討されなければなりません。当然ながら両面以上であればビアホールの位置も重要です。
なお、繰り返し屈曲・湾曲される場合、屈曲寿命を高めるために片面構造のフレキシブル基板になります。
全体の形状や配線設計がまとまれば、改めて片面・両面・多層式といった基本的な層構成を決めることになります。また、それぞれの目的に合わせてスルーホール構造や補強板構成といった部分も考えなければなりません。
当然ながら目的ごとに適切な素材が異なるため、素材特性を把握した上でマッチングを行います。なお、部分的に構造や層構成が異なる場合、各部位の境目も検討します。
フレキシブル基板において、回路パターンは基板の電子的性能を左右するだけでなく、機械的な強度や寿命にも影響するポイントです。折り曲げられた部分にはストレスがかかりやすくなるため、回路パターンは導電性を確保しつつも、ストレスを前提として耐久性を確保できるものが求められます。
また、ストレスを分散・緩和できるように曲率や形状なども工夫しなければなりません。
フレキシブル基板は現実的に注意すべきポイントが多く、求められる条件も多くなりがちです。そのため、全体の設計が完了してから改めて細部までチェックして問題の有無を調べることが必要です。
もしも不具合や将来的なリスクが見つかって設計変更を行う場合、実装難易度や製造コストの変化へ注目することも欠かせません。
片面回路は文字通り、片面だけに回路を持つ基板であり、導体が1層だけという単純構造も特徴です。片面回路のフレキシブル基板ではシンプルな平行回路になるため製造コストが抑えやすく、ケーブルの代替機能として併用されることも一般的でしょう。
ただし、求められる性能や構造が複雑になった場合、硬質基板の片面回路を製造する際よりも設計難易度やコストが高くなりがちです。
両面に導体層を有する基板です。フレキシブル基板をケーブル的に用いるような場合であっても、途中で配線が交差するケースにおいては両面回路を選択しなければなりません。
なお、フレキシブル基板の両面回路では、任意の場所にスルーホールを開けて、上下の回路層を接続することが必要となります。しかしスルーホールの構築には複雑な処理や適切な素材選びが欠かせないため、製造工程が複雑化します。
状況によっては両面回路だけでは不足してしまうこともあるでしょう。そのような場合、フレキシブル基板にも多層構成を採用することがあります。
導体層が増えるごとにスルーホール構造の計算は複雑化する上、いくら薄いフレキシブル基板であっても層を増やすごとに厚みが増して柔軟性も低下します。
そのため、電子的機能と柔軟性や屈曲性とのバランスを考慮することが重要です。
リジッド・フレックスとは、リジッドFCP基板に採用される構成です。部品を実装したい場合、硬質基板を用いたリジッド基板が必要になることもありますが、一方でケーブル機能も備えさせたい場合、フレキシブル基板ならではの柔軟性や屈曲性を確保しなければなりません。
それゆえにリジッド・フレックスでは部分的に硬質基板をベースとして使い、必要な部位をフレキシブル基板として構成します。
両面露出構造とは、部分的に導体下部のベース層を除去して、導体が完全に露出する構造になっているものです。フレキシブル基板に特有の構造となっており、ベースが除去されている部分であれば両側から電気的にアプローチできるため、高度な信頼性を確保した上で、狭ピッチ接続を実現したい部品などに採用されています。
両面露出構造は「ダブルアクセス構造」と呼ばれることもあります。
フレキシブル基板の材料は一般的にロール状で供給され、目的のサイズに応じてカットされた上で基板として製造されますが、テープ回路では製造設備に合わせたサイズのフレキシブル基板をロール状のまま提供可能です。
テープ回路の製造には専用設備が必要となりますが、プロセス条件を詳細に設定することができるため、非常に微細な回路を低コストかつ大量に生産することができます。
フレキシブル基板は、1960年代のアメリカで航空宇宙産業用に開発されました。その後、アメリカから世界各国にも技術が伝わり、1970年代には日本国内でもフレキシブル基板の技術を活用した基板の製品化や、応用技術の開発などが進められるようになりました。
1970年代の後半からは様々な民生用機器にもフレキシブル基板が採用されるようになり、軽くて自由に折り曲げられるという特性のメリットが拡大しています。なお、現代においてもスマートフォンやウェアラブルコンピュータなど様々な場面や電子機器などに利用されています。
リジット基板は「硬質基板」とも呼ばれ、文字通り固い基材の上に回路が形成されている基板です。一方、フレキシブル基板は薄いプラスチックフィルムへ銅箔を貼り合わせることで製造するプリント基板であり、基板そのものがケーブルのように折り曲げられたり変形させたりできるということが特徴です。
リジット基板が電子回路の形成や電子部品の固定を目的として製品内に設置されるのに対し、フレキシブル基板は基板をケーブルの延長のように使います。つまり、フレキシブル基板とリジット基板は性質だけでなく用途が根本的に異なります。
リジットフレキシブル基板(リジットフレキ基板)とは、その名の通りリジット基板とフレキシブル基板の特性が組み合わされている基板です。
例えば、2枚のリジット基板を平面上に並べたいもののスペース的に困難な場合、2枚のリジット基板の間にフレキシブル基板を挟むことで立体的にリジット基板を設置するといったプランがあります。しかし、そのままでは3つの基板が発生して接続端子などの数も増えるため、リジット基板とフレキシブル基板を一体化させて1枚のリジットフレキシブル基板にすることが可能です。
補強板とは、フレキシブル基板の強度を高めるために使われる「板」の総称です。一般的には、フレキシブル基板の一部を厚くしたり頑丈にしたりするために用いられます。
フレキシブル基板はそもそも自由に曲げられて柔らかいことでメリットを得られる基板です。しかし、柔らかく自由に変形するフレキシブル基板だからこそ、過度な負荷がかかって回路が剥がれてしまったり、コネクタに接続するための厚みが足りなかったりといった問題が色々と生じます。
そのような際に、ステンレスやガラスエポキシ、ポリイミドなどの素材を使った補強板をフレキシブル基板の任意のポイントへ貼り合わせることで、フレキシブル基板の特性を活かしながら強度や厚みを獲得することが可能となります。
基板の設計、製造、実装の3つに対応するとともに、一貫した製品・サービスの提供と顧客満足向上を実現するISO9001と環境にも配慮したISO14001を取得している3社を紹介します(2021年7月時点)。
コスパを求めるなら
【主な対応基板】
その他の対応基板
放熱基板、銅インレイ基板、アルミ基板、リジットFPC、高周波基板、大型基板、セラミック基板、IVH基板、フレキシブル基板
実績を求めるなら
【主な対応基板】
その他の対応基板
リジットFPC、高周波基板、銅ペースト穴埋め基板、バンプ基板、IVH基板、フレキシブル基板、複合導体厚基板、薄物基板
【選定基準】基板の設計、製造、実装の3つに対応するとともに、一貫した製品・サービスの提供と顧客満足向上を実現するISO9001と環境にも配慮したISO14001を取得している3社を紹介します。