プリント基板の種類のひとつであるビルトアップ基板とはどんなものなのか、また、設計や実装などを依頼できる取り扱いメーカーを紹介します(当サイトでピックアップしている業者からセレクト。2021年7月時点)。
小ロット低価格生産、大容量生産など、さまざまなニーズに応えられる工場の体制を確立しているため、フレキシブルな設計にも対応可能。超多層基板設計技術により、多層化した基板づくりの実績も豊富であり、常に求められる配線能力アップを可能としています。
高度な技術力を活かした高密度配線基板の作成にも対応しています。1層毎に積層、レーザー穴あけ加工、配線・ビア形成などを実施。それを繰り返してプリント基板を作製しています。IVH基板よりもさらに自由度が高くなり、高集積化が可能となります。
ビルド4層、6層(2-2-2)、6層(1-4-1)のほか、ビルト層最大3段、コア層最大12層までの製造に対応しています。また、Sim技術、AW設計技術に長けているアポロ技研とタッグを組むことにより、ビルトアップ基板におけるコストカット、納期の短縮を実現することが可能です。
プリント基板実装の実績が豊富で、手付けはんだ、手載せリフロー、マウンターなど、さまざまな実装方法に対応しています。そのため、クライアントのニーズに合致する実装方法により、ビルトアップ基板の提供も可能です。
10年以上にわたってビルドアップ基板の製造に取り組んでいます。4層1段ビルド~20層3段ビルドまで、フレキシブルに対応することが可能。ウエアラブル系基板で、小型、軽量化のために限界まで小さくしたいというニーズにも応えています。
コア基板とブルドアップ層の接続をレーザービアで行う工法により、高密度配線が可能となるビルドアップ基板の製造に対応しています。ビルドアップ層上下2層ずつの2段ビルドまで対応しており、スタックビア、フィルドビアへの対応も可能です。
基板の設計製造の高い技術をベースとしており、実装まで一貫したサポートが可能です。ビルトアップ基板では、スタガードビアおよびスタックビアによるビルドアップ基板の製造に対応。レーザービア、IVH、貫通スルーホールとの自由な組み合わせも可能で、クライアントのこだわりに応えることができます。
多種多様なプリント基板の設計、開発、製造をトータルでサポートしており、製品の組み込みに即した多彩なソリューションでビルトアップ基板を提供できます。基板試作から完成品の評価まで、ワンストップで対応することが可能です。
回路図ライブラリ、物理ライブラリによる入力支援サービスやSIシミュレーションを中心とした解析により、品質の高い基板をワンストップソリューションで提供することが可能です。さまざまな製品の基板設計の実績が豊富であり、モバイル製品を対象とした高密度ビルトアップ基板の設計にも対応しています。
電子機器の試作開発から量産まで一貫したサポート体制が確立されており、組込みシステム開発やビルドアップ基板設計、シミュレーション、量産実装など、さまざまなニーズに応えることが可能です。海外ではなく東京都に実装工場があるため、どの工程からでも対応することができます。
高速回路波形解析や各種シミュレーションにより試作回数の低減や製品開発のリードタイムを短縮できるため、ビルドアップ基板の製造コスト、納期も抑えることが可能です。また、放射ノイズの問題を解決するため、EMC対策も徹底しています。
技術開発力を駆使して、モジュールの搭載セットからのコンパクトを実現。エニーレイヤー構造をベースとして、高機能でありながら薄型のビルドアップ基板を提供することが可能。高密度配線、縮小化ランドの微細化開発を後押しする基板と言えます。
車載、産業機器など、幅広い業界で電子回路設計を手掛けた実績があり、ビルドアップ基板の設計、実装にも対応しています。技術者の経験やノウハウだけでなく、部品情報データをストック、共有することにより、難易度の高い基板でも柔軟な設計をすることが可能です。
レーザービア加工によるスタンダードなビルドアップ基板の開発では、特許も取得。優れた剛性力と信頼背で、海外を含めた生産や供給に対応することができます。また、マザーボードの高密度化に対応することで、ビルドアップ層数の削減に対応することも可能です。
図研製CADVANCE-αⅢをはじめ、多種多様なCADシステムに対応しており、システムを指定したうえでの設計にも対応しています。製造工程を丸ごとアウトソーシングすることができるため、トータルコストを抑えることが可能です。
1984年よりプリント基板の製造を手掛けており、実績とともに高い技術力を有しています。ビルドアップ基板では、信頼性を十分に担保するため、Tgが高い材料を使用。また、扁平開繊クロス材を使用するとともにレーザー加工条件を最適化するなどして、品質の高さを保証しています。
ビルドアップ基板の生命線となる接続信頼性を高めるため、フィルドビア工法、独自のレーザー穴あけ技術、デスミア処理を採用しています。また、レーザーダイレクトイメージ工法を採用することにより、高精度の位置合わせが可能です。
納期、品質、製造ルールなどについて、徹底的なヒアリングを行ったうえで、きめ細かいサービスを提供しています。ビルドアップ基板に関しても、開発、設計、試作、評価、解析のプロセスを経て量産までワンストップでサポートすることが可能です。
基板設計に携わる技術者が50名以上在籍しており、ビルドアップ基板についても短納期設計の対応が可能です。また、試作実績が豊富な自社工場を所有していることにより、トータルで開発期間を短縮することもできます。
独自の管理システムによる徹底した納期管理を行っているため、ビルドアップ基板についても多品種、短納期、どちらにも対応することができます。また、営業拠点と地域に強みがあるネットワークを構築しているため、地域密着型の基板づくりが可能です。
コアとなる基板の上に導体層を重ねることで多層化した基板であり、ビアによる占有スペースを微小化することで高密度な配線が可能となります。また、自由なパターン設計が可能となることもメリットのひとつ。小型多機能電化製品、小さなチップ部品を実装したい場合に有用であり、カーナビや携帯型ゲーム機などに使用されています。
電子機器の小型化・薄型化が進むにつれて、単一層の基板を並べるだけでは目的の実現が難しくなり、スペースを抑えながら高密度回路を叶えられる多層構造のビルドアップ基板ニーズが高まりました。
ただしビルドアップ基板はメーカーごとにビアホールの形成方法や各層の接続方法が異なり、目的に合わせて比較検討しなければなりません。
例えば、同じ面積であっても低階層のマンションより高層マンションの方が多くの入居者を集められるように、ビルドアップ基板のメリットは、限られたスペースの中へ高密度な回路を構築できることです。そのため、小型化が求められる機器においてビルドアップ基板はダイレクトにニーズを叶えられる要素となり得ます。
また、自由な設計パターンが可能になるため、単に回路の密度を高めるだけでなく機能性を向上させやすい際にも便利です。
ビルドアップ基板は従来の貫通多層基板と比較して、高密度な回路パターンを任意のポイントへ集中的に構築させることが可能な基板です。このため、チップの小型化や小サイズ部品の基板製作といった目的にマッチしており、コンパクトデザインの実現と信号品質の維持という2つのメリットを幅広い業界へ提供できます。
IT機器やハイテク機器、小型機械など、高性能かつ小サイズの部品や製品の実現に向けてビルドアップ基板が活用されています。
ビルドアップ基板の場合、単一層の基板の製造工程に立体的な特性を考慮しなければなりません。
プリント基板に絶縁体層を重ねる工程で、複数の素材が使われます。
各層の基板に穴を開け、重ねた基板をそれぞれ電気的に接続する加工です。レーザーなどが使われます。
レーザー加工で生じた残渣(スミア)が残っていると動作不良の原因になるため、薬品やプラズマで除去することが必要です。
ビアにめっきを施して耐久性や機能性を高めます。微少な穴へめっきするため、気泡が入らないようにするなど技術が求められます。
ビルドアップ基板の材料として使われる素材には、現代の主流としてガラスクロス材とフィルムの2つがあります。
ビルドアップ基板がIBMによって開発された当時は、紫外線硬化樹脂を用いた製造が行われていましたが、ビア形成の品質が光依存になることで不具合リスクもあり、より安定性のある方法として銅箔に熱硬化樹脂をコーティングしたものが採用されるようになりました。
現在はレーザー加工装置の性能がさらに向上しており、コストメリットも追究したことでガラスクロス材や、パッケージなどに使用されているフィルムがビルドアップ基板の材料として利用されています。
ガラスクロス材とフィルムのどちらを選ぶかは、基板の用途や完成品の形状などに応じて決められることもポイントです。
ビルドアップ基板には穴の開ける位置や形状などによって、複数の種類のビアが存在し、目的に応じて使い分けられています。
絶縁層に設けられた穴のサイズや形状に合わせて、メッキ皮膜の厚さを一定にキープしたまま導体層を形成するビアを「コンフォーマルビア」と呼びます。基材の任意の部位だけにレーザー加工で穴を開けることも特徴です。
「フィルドビア」とは、ビアの内部まで導体(銅メッキ)でカバーしたビアを指します。レーザー加工装置によって穴を形成した後、特殊なメッキ液を活用することでビアの内部まで均一な銅メッキで埋めることが特徴です。コンフォーマルビアに対して作業手順が複雑になります。
ビルドアップ層に設けたビアの上に、さらにビアを積み上げて3層以上の間に電気的な連続性を確保させているビアです。レーザー加工、銅メッキ加工、樹脂埋め加工、そしてレーザー加工という一連の作業を繰り返します。
上記のほかにも、隣り合っていない導体層を接続する「スキップビア」や、大手メーカーが開発した「穴埋めベースビア」、「スタッドビア」といったタイプが存在しています。ただし、現在では主流のビアとして利用されているものでなく、他のビアで対応するなど目的に合わせたプランニングが大切です。
ビルドアップ基板は多層基板に分類されますが、多層基板にはほかにも「貫通多層基板」や「IVH基板」などの種類があります。それぞれの特徴やビルドアップ基板との違いを見ていきましょう。
多層基板のなかでも、スルーホールという貫通穴を用いて層間の回路を接続している基板のことを「貫通多層基板」といいます。耐久性に優れており、幅広い用途に用いられる基板です。
ビルドアップ基板との違いはスルーホールとレーザビア、どちらで層間接続しているかです。前述のとおり、貫通多層基板はスルーホールで層間接続が行われており、その貫通穴の形成にはNCドリルマシンが使用されます。その名の通り穴が貫通しているのが特徴で、また穴の大きさは300㎛以上であれば自由に調整できるのがメリットです。
一方でビルドアップ基板はレーザビアで層間の回路を接続しています。穴の大きさが100㎛程度とスルーホールに比べて小さいため、より高密度な配線が可能。また穴が貫通していないので、その下層にも配線できます。
4層以上の基板で、接続が不要な層間には穴(ビア)を貫通させず、必要な層間のみを接続するのがIVH基板の特徴です。非貫通穴であるうえに、すべての層を接続する必要がないため、より高密度な配線が可能になります。しかし、ビアに銅めっきを施す必要があり、銅はく厚が大きくなってしまうのがデメリットです。
また、層間接続の形成にレーザビアではなくNCドリルマシンを使用するのも、ビルドアップ基板との違いとして挙げられます。
基板の設計、製造、実装の3つに対応するとともに、一貫した製品・サービスの提供と顧客満足向上を実現するISO9001と環境にも配慮したISO14001を取得している3社を紹介します(2021年7月時点)。
コスパを求めるなら
【主な対応基板】
その他の対応基板
放熱基板、銅インレイ基板、アルミ基板、リジットFPC、高周波基板、大型基板、セラミック基板、IVH基板、フレキシブル基板
実績を求めるなら
【主な対応基板】
その他の対応基板
リジットFPC、高周波基板、銅ペースト穴埋め基板、バンプ基板、IVH基板、フレキシブル基板、複合導体厚基板、薄物基板
【選定基準】基板の設計、製造、実装の3つに対応するとともに、一貫した製品・サービスの提供と顧客満足向上を実現するISO9001と環境にも配慮したISO14001を取得している3社を紹介します。